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2011年8月12日 (金)

ふるさと怪談 京田辺 第一部

 さて、開場は13時20分。会場に再び到着です。みんな開場時間までに律儀に並んでます。番号順に10人ずつエレベーターに乗り、ホールのある5階へ上がって行きます。
 5階に着くと、早速物販が並んでおります。田辺さんの皐月鬼シリーズ、遠藤さんの戦争大臣シリーズや短編集、中山さんの新耳袋シリーズに、荒蝦夷の本と盛り沢山です。これだけでも見ていて飽きませんね。そこを抜けると、京田辺ならではの、お茶の試飲サービスがあったりと至れり尽くせりでございます。

 僕らが入った時には既に席が大方埋まっていたので、後ろから二列目の席に座りました。ここも関係者用の席を急遽一般席に変更したって感じで、このイベントの盛況ぶりが伺えます。僕らのすぐ後ろの席には、しっかりと関係者席という紙が貼られてました。

 定刻の14時になると、早速東さんが登場。まずはイベントを開催するに至る経緯を説明します。
 http://hurusatokwaidan.web.fc2.com/
 上記サイトの「企画趣意書」と「みちのく怪談支援活動について」を読んでいただけたら、大体の内容は掴めると思います。

 15分ほどお話されると、遠藤徹さんと田辺青蛙さんが登場。大学で講義をされているのでこういう場は慣れている遠藤さんと、ガチガチに緊張している田辺さんの対比はなかなか興味深かったです。
 自己紹介で実は日本ホラー小説大賞の一次選考に携わっている東さんの箱から両名の作品が選ばれている(両名とも日本ホラー小説大賞受賞作家)という話が出たり、京田辺市から二人もホラー作家が輩出されるなんてすごい確率ですよね(京田辺市の人口は5,6万人)ってお話をされていました。
 そのあと田辺さんの緊張を解すため(?)に、東さんが
東さん「田辺さんは、自分の名前(筆名)に市の名前を付けるほど、市に愛着があるんですよね。では、下の名前はどうして付けたんですか?」
田辺さん「私は蛙が好きなので……」
東さん「岡本綺堂に『青蛙堂鬼談』という本がありますが、それとは関係ないですか?」
田辺さん「蛙が好きなので……」
東さん「怪談好きなら押さえておきたい話ですよね^^」
 とすごくにやにや、いえニコニコ楽しそうにお話されてました。

 そんな和やかな雰囲気の中、遠藤さんが用意したスライドを用いて京田辺の伝承を紐解いていきます。
 基本遠藤さんがスライドを用いながら、地名や土地に纏わる謂れを解説して、そのあとで田辺さんが紹介した土地に因んだ怪談を披露という形でした。

 まずは大江山の鬼退治の話です。古代、鬼というのは朝廷にとって忌むべき存在を指していたのではないかという時代的考証に始まり、忌むべき存在とは恐るべき力を持っている存在。鉄を作る技術というのは呪いと同じように、不思議な力として扱われていたのではないか。京田辺にも「多々羅」というたたら場を想起させる地名や、鉄の因んだ地名が幾つもあるので、この辺りでは昔、製鉄の技術を持つ者が住んでいたのかもしれないという話をされました。酒呑童子なども、その様に朝廷にとって恐るべき力を持っている存在を退治したという話かもしれませんねと結びました。

 次に甘南備山の話をされました。標高が低い山なのですが、南を守護する山として朱雀があてがわれたり、なかなかすごい山だと紹介(他にもいろいろ話してました。メモしとけばよかった)。
 そして、小さい山ですが、甘南備山では何と水晶が採れるらしいのです。今は少ししか採れないらしいですが、田辺さんが小学校の頃はまだ普通に採れたと、なかなかローカルな話題になりました。

 ここで田辺さんが地元の人に聞いた怪談を披露します。

 Fさんは甘南備山へ行った時に、人の頭ほどある大きな水晶を見つけたそうです。この水晶を磨けばいい値で売れると思い、Fさんは早速水晶を家に持ち帰ります。
 しかし、水晶を持ち帰った日から、家族の具合が急に悪くなります。もしかして、水晶のせいかもしれないと思いながらも、早く磨いて売ってしまおうと、Fさんは水晶を磨き続けました。すると今度はFさん自身も原因不明の頭痛に襲われ、水晶を磨くどころではなくなってしまいました。
 恐ろしくなったFさんは水晶を磨くのは諦め、市内のある川に水晶を捨てに行きました。水晶を捨てた後は、Fさんの頭痛もピタリと治まり、家族の様態も立ち所に良くなりました。水晶は捨てたままなので、今でも市内も川に沈んだままかもしれません。

 という不思議で地元に密着したお話でした。
 まさに呪われた宝石ってお話ですね。こんなお話が身近に転がっているなんてすごいです。
 ちなみに田辺さんは下が小学3年生から、上が90歳まで3,40人に今回のために取材をされたそうです。その中で今まで京田辺に住んでいても知らなかったようなお話がたくさん聞けたから、いろんな人に話を聞いてみるのは大事と思ったそうです。

 最後に京田辺と「かぐや姫伝説」は深く関わりがあるって話をされていました。田辺さんが「美味しんぼ」でも京田辺が出てきて、竹藪を燃やしていたとか楽しそうにお話されてました。
 そして、再度怪談を披露します。

 ある学校にあると云われている岩に纏わるお話。
 その岩の上で遊女の格好をした女が深夜に立っていた。幽霊かと思い、目撃した者は遊女を刺してしまった。しかし、遊女は幽霊ではなく生身の人間で、刺されたことにより死んでしまった。死に際に遊女は血に染まった手形をベッタリと岩に残した。以来その手形は幾ら拭っても、決して消えることがなかった。
 それからというもの件の岩では、幽霊が目撃されるようになった。幽霊と云っても遊女が顕れるのではない。三味線や盃といった遊女を思い起こさせる器物が夜な夜な岩に顕れるというのだ。
 この岩は現在でも、ある学校にあると云われている(田辺さんのそのあとのリサーチで通学路の藪の中に実在するらしいです)。

 これまた不思議な話です。遊女が出ないのは恥ずかしいからかなと遠藤さんは仰ってました。僕は一回人間に殺されたから、遊女は人間が怖いんじゃないかなと思いました。色んな解釈ができそうな話で面白いですよね。
 面白いといえば、田辺さんが実際に学校へ岩を確かめに伺ったら、教員(或いは用務員)にちゃんと市の許可を取ってから来てくださいと無下に追い返されたという話も、トークに熱がこもっていて面白かったです。

 他にもどのタイミングで言ったのか忘れたのですが、京田辺の地蔵は地域に深く根付いていて動かそうとすると祟られるという話をしました。現に戦後(だっけ?)地蔵を移動しようとした際に、ちゃんとお祓いをしたにも関わらず、足が一週間固まって動けなかった人が身内にいたという話を、年配の方から聞けたとか言う話もされてました。

 さて、ここまでであっという間に1時間が経ちます。
 最後に告知をということで遠藤さんは6月に完結した「戦争大臣」シリーズ3部作。
 田辺さんは8月27日に大阪梅田で開催される中山さんのイベントをお知らせしていました。
 田辺さんの家には呪い(?)の市松人形があるらしいのですが、最近は首が勝手に外れて廊下を転がったり、抜け毛が酷くて大変らしいです(追記:抜け毛はないそうです。首が抜けて転がったとのこと。それもすごいなあΣ(´∀`;))。だけどすでに市松ファンもいらっしゃるらしくて、着物とかが送られたりしているそうです。一度生で拝見したいなあ。件のイベントでも、スペシャルゲスト扱いらしいです。
 
 10分休憩を挟んで、イベントは2部に移ります。

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